■小田原城址公園で始まる農薬散布（01.05.08）
■農薬散布に関する再度の要望書（98.05.27）
■要望書について小田原市からの回答（98.05.22）
■農薬散布について問い合わせを（98.05.19）
■農薬散布に関する要望書（98.05.13）

人にも動物にも危険!

小田原動物園における農薬散布に関する要望書

1998年5月13日

　貴市は、小田原城趾公園において毎年マツクイムシ対策のために農薬を散布しており、今年もこの５月中旬に散布の予定と聞きました。散布に当たっては、当然のことながら農薬の害を避けるために来園者に予告されていることと存じます。しかし、小田原城趾公園内のる動物園では、動物舎近くの松に十数基のスプリンクラーが設置されており、農薬が散布された場合、ここの動物たちはどこに避難することもできない状態におかれています。

　動物園での農薬散布は、動物の健康・生命を脅かすものです。

　特に、貴市における農薬散布の状況では、動物たちの体表面や動物舎の床面に農薬が付着することは避けられません。床や体毛をなめたり、毛づくろいをするなどの習性を持つ動物にとっては、経口摂取による危険性が極めて高くなります。特にサル舎は非常に狭い上に寝室も隠れる場所もないため、サル達の受ける被害はより大きいものとなるでしょう。また、クマ舎の水飲み用の水槽には天井がなく、農薬が飲み水に混入します。すべての動物舎に言えることですが、餌が床面に置かれるために、農薬が付着して体内に摂取される恐れがあります。他に城内のカモとコイが泳ぐ池でも農薬汚染の危険があります。

　農薬の散布は早朝に行われると聞きましたが、撒かれた農薬は気温の上昇とともに蒸発し、昼前後から再び大気中の濃度が高くなります。鼻の位置の低い動物はヒト以上に濃い気体を吸い込むことになります。また、体重の少ない小動物は少量の農薬でも、症状が現れる危険もあります。

　小田原城趾公園の動物園には、日常的に動物のケアを行う獣医師がおらず、また管理される人々も農薬の毒性や生物に与える影響について特に知識があるわけではありません。このような状況下の農薬散布は、動物の健康と生命を脅かすものであり、無責任と言わざるを得ません。

　付きましては、下記の事項についてお尋ねしますので、５月22日までにご回答下さるよう、お願い致します。

［要望事項］

1.農薬散布の中止を

　一般に動物園では動物への配慮から農薬散布を行わないにもかかわらず、貴市の動物園では毎年恒例のように散布が行われており、たいへん問題だと考えます。動物の生命の安全と健康のために、私共は、動物園での農薬の散布を止めていただくよう強く要望いたします。

　また、もし貴市が松を守るためには動物を犠牲にしてもよいというお考えだとすれば、城趾公園に動物を置くこと自体止めるべきではないでしょうか。ご意見をうかがいたく存じます。

2.動物園の運営方針を問う

　なお、1986年に、当会は、貴市に対して、動物たちの居住環境が極めて劣悪であるので速やかに改善を図っていただきたい旨を要望いたしました。さらに、ここが安全性の面でも不適切であり、動物園としての教育的機能も果たしていないこと等から、事業計画を立て閉園していただくよう要望致しました。この件に関し、その後どのような方針を立てられているのか、それも併せてお答えいただきたく存じます。