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人にも動物にも危険！
小田原動物園における農薬散布に関する再度の要望書
５月22日付けで小田原市より当会へ回答がありましたが、散布にあたって動物たちにどのような配慮がなされたのか、まったく触れられておらず、なんら対策も施さないまま農薬散布を続けています。よって、再度以下の要望書を送付いたしました。
小田原市長 小澤良明 様
小田原市経済部観光課長 鈴木紀雄 様
1998年5月27日
５月22日付けのご回答ありがとうございました。ただ、今回のご回答では、散布にあたって動物たちにどのような配慮がなされたのか、まったく触れられておりません。当会は５月13日付けで、動物園の農薬散布の中止を要望いたしましたが、16日に散布が実施されました。さらに今後５月29日から６月１日の間に２度目の散布を行う予定であるとのことです。
これは信義に反しており、行政のとる行為ではありません。本来どんな事業であっても問題点が指摘された場合、それが疑うに足るものであれば事業をいったん中止して点検するのが物の道理です。当会は要望書を出すにあたり、法規や科学的理由を示しておたずねしていますので、これを上回るような論拠をもってご返答下さるよう、以下の事項を再度ご質問いたします。
［要望事項］
1.農薬散布の中止を
一般に動物園や公園など不特定多数の人々が往来する場所では、みだりに農薬の散布を行うべきではありません。貴市はこれまで、農薬散布にあたって周辺地域の住民や観光客への周知をまったく行っておらず、逃げることのできない動物園の動物たちへの配慮も為されてきませんでした。ご回答の文面でも、松の方が人や動物の健康や生命よりも大切であるかのように書かれており、本末転倒です。少なくとも動物園における農薬散布の中止を求めます。あわせて有機リン系農薬が動物に与える影響について、これまで獣医師などの専門家に意見を聞いたことがあるかどうか、なければその予定があるかどうか、お知らせ下さい。
2.市民への周知について
神奈川県農政部林務課が出している「松くい虫防除安全対策の手引き」によれば、農薬散布の前に、「散布区域周辺の住民に散布の内容や日時をあらかじめ周知して協力を得ておくとともに、周知対象地域外から知らずに立ち入ろうとする者に対して標識等を用いて薬剤のかからない地域に迂回してもらうなどの措置を講ずるものとする」としています。貴市では、この手引きを遵守し、どのような措置を講じられましたか。また、「１週間前に周知を完了しておくこと」となっていますが、２回目以降はこれに従いますか。お知らせ下さい。
3.農薬の危害防止について
散布時には、人への安全はもちろんのこと動物に対し配慮するのは当然のことです。前記の手引きにも、散布中に「畜舎や養殖池等に薬剤が混入しないための措置として、覆い等をすること、また屋外への家畜の係留や放飼をしないこと」としています。しかし、ご回答には「動物への充分な配慮」について何ら記載がありません。これは何もしなかったということなのか、もし措置を講じたのであれば、その内容を動物種ごとに具体的にあげて下さい。
4.発生予察について
林野庁では、農薬散布は、マツノマダラカミキリが成虫になる時期にあわせて散布しなければ効果がないとしています。これに基づき、県では発生予察を行っていますが、５月26日現在、県ではまだ羽化情報を出していませんでした。今回、貴市では散布日をどのような情報に基づいて決定されたのか、ご説明下さい。
以上、お手数ながら６月1日までにご回答下さるようお願い申しあげます。
地球生物会議（ALIVE）
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